
・資格によって違う給料や就職状況はどうなのか?
・電気工事士を取得予定で将来人生設計のために把握しておきたい
こういった悩みに答えます。
私は転職エージェント歴5年で年間600人以上の転職相談からの相談を受けています。
今回は【電気工事士「一種」と「二種」の違いを徹底検証】と題して資格によって違う難易度や給料、就職状況などをご紹介します。
これを見ることで電気工事士の各資格の試験難易度、就職状況、給料などについて確認することができます。
「一種」と「二種」の電気工事士の違いについて少しでも把握してもらえたらと思います。
電気工事士「一種」と「二種」の仕事内容、就職、給料の違いは?
まずは電気工事士「一種」と「二種」の違いについて仕事面や給料面について説明していきます。
主には下記3点に大きな違いがあります。
・勤務する工事範囲の違い
・就職先の数や転職の優遇の違い
・給料や手当ての違い
それぞれについて説明していきます。
電気工事士のできる工事範囲の違い
「一種」と「二種」では対応可能な工事の範囲が違います。
第二種電気工事士ができる範囲は一般住宅や小規模な店舗などの電気設備に限定されています。第一種電気工事士ができる範囲は工場やビル等の大きな電気設備と第二種電気工事士の範囲も含めて対応可能な工事になります。
簡単にいうと第一種電気工事士の資格を取得免状を保有していることでほとんどの電気工事はできるようになります。
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また、電気事業には「電気工作物」という発電、送電、配電、または電気を使うために設置する機械、器具、電線路など、人により加工された物(工作物)のことをいくつか区別しています。
下記のグラフを参考にしてみてください。
電気工作物は、一般用電気工作物と事業用電気工作物に分類できます。事業用電気工作物はさらに自家用電気工作物と電気事業用電気工作物に分類されます。
第一種電気工事士の就職先は多数あり
第二種電気工事士の求人より第1種電気工事士の求人の方が多いです。
実際に求人サイトで検索すると「第一種電気工事士」の方で転職した方のあるあるになりますが、検索数に差が出てきます。
各求人サイトの「第一種電気工事士」と「第二種電気工事士」の検索数
検索数だけで見ると「第二種電気工事士」の方が求人数が多いです。
ただ、「第二種電気工事士」のワードは全て書かれていますが、「第一種電気工事士」は「第一種、第二種電気工事士」のような表記で求人サイトに掲載されているために検索数から比較すると少なくなります。
他にも「第二種電気工事士以上の資格」、「実務経験3年以上」、「工事経験3年以上」などのような表記になっていることもあるので、「第一種電気工事士」を求めているのにうまく検索できないこともあります。
企業側からすると「第一種電気工事士」を持っている方=「実務経験3年以上」の即戦力の人材です。第二種電気工事士よりも工事のできる範囲も広いので「第一種電気工事士」はすぐにも採用したい人材になります。
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実際の会社が求めている人材としては上位資格になる第一種電気工事士の方が当然ですが有利になります。
第二種電気工事士をすでに持っている方はまずは第一種電気工事士の取得がキャリアアップの一つの方法です。
電気工事士「一種」と「二種」の給料違い
結論としては求人によるが、第一種電気工事士の方が若干給料は高いです。
転職サイトで求人票を100件くらい調べてみましたが、地域、業務内容、実務経験の年数などによってばらつきがありました。
一例ですが具体的には基本給18万円〜45万円、資格手当3,000円〜10,000円など差があります。
資格手当については「第一種電気工事士」の方が高い傾向はあり、基本給も同じ会社であれば高い結果がありました。
平均年収としても約400万円以上になっていまして、詳しくは下記の記事にてより詳細に説明しています。
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電気工事士「一種」と「二種」の試験の違いは?
次は電気工事士「一種」と「二種」の試験の違いについて説明していきます。
下記、3点についてそれぞれ説明していきます。
・電気工事士の試験合格率の違い
・筆記試験の違い
・技能試験の違い
一種と二種の仕事内容の違いや給料面などで違いを理解頂いたかと思いますが、そもそもの試験の合格率についても簡単に今までの合格率をグラフにまとめました。
電気工事士の試験合格率(一種・二種)の違い
もちろん第1種電気工事士の方が合格率は低い
こちらは電気工事士(一種・二種)筆記試験合格率グラフになるが、一目瞭然で第一種の方が合格率が低いことが分かります。
第二種電気工事士は大体60%前後、第一種電気工事士は43%前後になります。
実務経験が5年以上などの取得条件があるが、それでも合格率が低いです。
年々受験者数も増加傾向にあるので、注目されている資格であることは間違いないが、社会人になると仕事が終わった後に勉強になるので、時間の確保やモチベーションの維持することが重要になります。
実技試験についてはそれぞれ合格率に大きな違いがないことが分かります。
年度によってばらつきがありますが、近年では60%~70%前後になります。
また、第一種電気工事士のさらに工事範囲が広くなる「第三種電気主任技術者」についてはさらに合格率が低く平均8%くらいの合格率になるので、第一種電気工事士もそれと比較するとまだ合格率が高いです。
筆記試験の違い
第一種電気工事士の筆記試験は第二種と比較して公式丸暗記で解けた計算問題が解けなくなります。
計算問題や暗記問題の難易度はもちろんあがります。
具体的に何が違うのか説明していきます。
計算問題の違い
第二種電気工事士

第一種電気工事士

参考資料:電気技術者試験センター
第一種電気工事士の計算問題は第二種電気工事士の公式応用になります。計算や公式の応用が増えますが、計算自体はほとんど変わらないです。
ただ、第一種電気工事士は工事範囲で事業用電気工作物が追加されていますので、その公式を追加で覚える必要はあります。
暗記問題の違い
暗記問題はより詳細の内容を問われる問題になります。
第二種電気工事士については材料や器具の名称の名前を暗記しているかどうかに対して、田一種電気工事士については同じように名称の暗記以外にも事業用電気工作物で使用する名称のさらに用途や性能、注意点などが問われることが多いです。
イ.ロ.ハ.ニ.の出題方法については変わりがないですが、少し難易度が上がる傾向にあります。暗記面では特に第二種電気工事士は得点源になるので確実に取れるように暗記を徹底しましょう。
技能試験の違い
技術試験は比較すると非常に複雑になっているのが分かるかと思います。
自分も最初見たときはこんなのできるのか・・・
と思いましたがまずは筆記試験を合格したあと技能試験を勉強するでも十分に間に合いますので安心してください。
なぜなら、第二種電気工事士は出題される問題が決まっています。
13個の中から当日のその中の1つが出題されるので、技能試験は練習と時間配分が必要になります。
技能試験に関してはとにかく「欠陥がないこと」条件となります。
練習を何度も繰り返すことで慣れることと時間内に完成できるようにしましょう。
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電気工事士「一種」と「二種」の取得条件の違いは?
ここまで電気工事士の違いについて説明しましたが、そもそも取得するための条件はあるのか?
こちらを説明していきます。
第二種電気工事士の取得条件
結論としてはだれでも全員受けることができます。
つまり、学歴や実務経験が必要なく、何歳からでも取得可能ということになります。
2017年には当時8歳の小学三年生が合格してニュースになりました。
参考:日本工業経済新聞社
第一種電気工事士の取得条件
第一種電気工事士も実は誰でも受験することは可能です。
ただ、実務経験が足りていないと免状交付がされませんので注意が必要です。
交付条件には下記の2つのどちらかを満たす必要があります。
②電気科・電気工事科の大学・専門学校の卒業+実務経験3年以上
多くの方が下記のような流れで第一種電気工事士を取得されています。
第二種電気工事士の試験合格
取得実務経験の必要年数分経験
その期間中に第一種電気工事士の試験合格
第一種電気工事士の免状交付
電気工事士としてこれからも仕事をしていくのであれば、第一種電気工事士ないしは第三種電気主任技術者の資格を持っているのは非常にオススメです。
勉強は積み重ねて1年かけてもメリットが大きいです。
まとめ:電気工事士の違いを把握しよう!
今回は【電気工事士「一種」と「二種」の違いを徹底検証】と題して資格によって違う難易度や給料、就職状況などをご紹介させて頂きました。
・第一種電気工事士の方が仕事範囲が広い
・給料や資格手当が将来的にも価値がある資格
・まずは第二種電気工事士から取得してレベルアップを
電気工事士について少しでも違いについて理解が深まってくれたらと思います。
中でも第二種電気工事士の取得後にさらに第一種電気工事士を目指すのか、そもそもの資格取得の目的を考えてみるのも一つです。
ちなみに、当ブログでは【転職するつもりでなくても転職サイトなどへ登録しても良い理由3選】の一部で自身の市場価値を考える一つの方法に転職活動について解説しています。
ぜひ今後も資格取得含めて自身の人生設計にお手伝いできればと思います。
今回は以上です。