
・実際の年収や就職率などを把握しておきたい
・現状の就職市場はどのようになっているのか?
こういった悩みに答えます。
私は転職エージェント歴5年で年間600人以上の転職相談からの相談を受けています。
これを見ることで電気工事士の就職事情や就職で有利になるための資格情報などについて理解することができます。
事前に少しでも把握してもらえたらと思います。
1.電気工事士未経験者の就職事情
結論としては実務経験がなくても電気工事士の就職は可能です。
しかし、就職は可能であっても現場で電気工事を範囲外で仕事をすることはできません。多くの方は就職前に資格を取得をして就職されるケースがあります。
まずは就職事情の下記3つについてまとめてみました。
・電気工事業界への働く方
・年収
・資格取得
電気工事業界への働く方
まず、電気工事士の資格取得した方は電気工事業界への就職が一般的になります。
実際には第二種電気工事士の資格を取得して就職する割合は2割程度となっています。
また、第一種電気工事士になると実務経験もすでにあるので、6割弱が就職しています。
下記、関連記事として未経験者が電気工事士として転職できる内容についても説明しています。
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年収
未経験者からの電気工事士の平均年収は300~400万円となります。
仕事内容や勤務時間、残業の有無によっても未経験の平均年収は変わりますが、大学卒業後の初任給としての平均年収が300万円弱なので、多少高い水準となっています。
厚生労働省の2019年賃金構造基本統計調査によると、全体の電気工事士(男)の平均年収は40.9歳で約474万円になっています。
出所:厚生労働省「令和元年度 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて算出しています。
日本人のサラリーマンの平均年収は 441万円なので、こちらも比較的高い水準になります。
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資格取得
未経験者でも資格取得者の方が就職には有利です。
第二種電気工事士の資格取得している方が、企業側にとっては知識を持っている証明にもなるので、仮に資格を持っていない他の候補者がいた場合は当然有利になります。
第二種電気工事士を持っているが未経験でも、「未経験者歓迎」「資格不要」も含めて全国的にあります。
第二種電気工事士を取得して、その後実務経験を積んで第一種電気工事士を取得して電気工事の可能な範囲を広げて、さらに年収など待遇をアップされるのが王道になります。
詳細記事はこちら→電気工事士「一種」と「二種」の違いを徹底検証
2.電気工事士の就職に有利な方の特徴
次に就職が有利な方の特徴について説明します。
電気工事士の資格が就職において有利になるケースを3つに分けてみました。
・適性な年齢層
・40代以降の資格の有無
・その他の有利な資格
適性な年齢層
電気工事士の転職でも同じ傾向ではありますが、未経験でも資格保有していることで40代以降でも電気工事士へ就職することは可能になります。
電気工事士の仕事上で未経験になると最初は工具や資材の運搬作業などの重労働なども見習い同然なので、体力が必要になることは変わりません。
上記の電気工事士の年齢別の円グラフの通り、均等に配分されているようにみえますが、60歳以降で引退する層の割合が多いので今後人材不足の懸念があります。
転職層や就職層では電気工事士の業界も含めてどの業界も10代~30代前半までは若いということだけでも企業へ入社することは有利になります。
特に20代までは入社後に経験を積んで、経験者と同等の「即戦力人材」として教育をしていく時間や体力もあるので採用されるケースが高いといえます。
職場環境としては上下関係が厳しいところも多いので、上司や先輩などと人間関係をうまく構築して、コミュニケーションを取れるかがポイントになります。
40代以降の資格の有無
40代以降の就職では電気工事士の資格保有者が有利になります。
先ほど、20代までは若いということで未経験、資格未取得でも有利になりますが、40代以降に関してはより有利ということであれば、電気工事士の資格有無が大きく関わってきます。
最近の求人票には「未経験者歓迎」「入社後資格取得OK」などと条件に記載している企業も増えてきています。それは企業の思惑としては10代20代の若手採用向けの求人といえます。
人材不足の業界では年齢不問が多いので、実際に未経験でも資格保有の方が就職活動をする方が断然有利です。
新卒採用の場合は、社会に出ていないので仕事内容や業界知識について詳細を知らなくても採用されるケースはありますが、第二新卒以上に関してはいくら若手でも「電気工事士の基礎」や「業務内容」は最低限でも理解しておかないと面接では失敗するので注意が必要です。
何度もお伝えしていますが、電気工事士の資格がないと現場電気工事ができないので、できる仕事も限られてきます。「第二種電気工事士」の資格は取得しておく、もしくは今から勉強しておく方が就職では有利になります。
その他の有利な資格
その他にも電気工事士以外で有利な資格になります。
第二種電気工事士ができる範囲は一般住宅や小規模な店舗などの電気設備に限定されています。第一種電気工事士ができる範囲は工場やビル等の大きな電気設備と第二種電気工事士の範囲も含めて対応可能な工事になります。
簡単にいうと第一種電気工事士の資格を取得免状を保有していることでほとんどの電気工事はできるようになります。
「第一種電気工事士」の資格取得はキャリアップ、独立、昇格などのために必要な資格でもありますし、電気工事士としての業務範囲が拡大することが可能です。
その他のおすすめのステップアップの電気工事関連の資格
電気工事施工管理技士(一級・二級)
就職:非常に採用ニーズが高いので、給与、昇給、転職にも大変有利な資格になります。
仕事内容:電気工事の施工計画の作成、工事の工程管理、品質・安全管理等の業務を担当となります。
電気主任技術者(第三種・第二種・第一種)
就職:最近では再生可能エネルギーの需要が高くなり、有資格者の人材不足が電気工事士と同様に懸念されている。給料などの面についても電気工事士以上に優遇されている。
仕事内容:電気設備の運転、点検・検査、変更の工事など日常点検や保安規定上の考慮が十分なされているかを監視巡視する。不十分な場合は指導および指示を行い改善します。
電気通信主任技術者
就職:電気通信ネットワークは社会の情報の必要不可欠な機能ですので、電気通信主任技術者の活躍の場は多いです。電気主任技術者と同様に給料などの面についても優遇されている。
仕事内容:電気通信事業に必要な設備(伝送交換設備・線路設備)およびこれに附属する設備の工事、維持、運用を行います。
工事担任者
就職:特に情報通信業等の採用ニーズが多く、今後も益々増加傾向にあります。就職・給与・昇格などにおいても優遇されるケースがあります。
仕事内容:情報通信インフラに接続作業やその接続工事の際に必要とされる設計施行や保守管理を行います。
電気工事士の仕事内容も様々あるので、一つだけ取得するだけではなく、就職先で勤務しながら他の資格取得するのが一般的です。
3.就職事情の現状と注意すべきこと
電気工事士の就職事情については「未経験歓迎」の求人が中途採用でも増加傾向なくらい、特に未経験でも若手就職枠としては多く存在しています。
もちろん企業側としては経験者が入社してくれたら歓迎であることを背景にあるので、現状としては人材不足が顕在化しています。
下記にて現状や原因、注意点について解説していきます。
人材不足の電気工事士の現状と原因とは?
先ほどもありましたが具体的な求人数としては下記のとおりです。
オリンピック需要やインフラ修繕工事、保守メンテなどの関係などで、求人数に関しては非常に多くなっているのが現状です。
今後、その需要は減少傾向になりますが、2020年以降には60代以降の大量定年離職があるために人材不足が加速すると言われています。
また、電気工事士は現場での立場が弱いこともありまして、作業が遅れると電気工事の作業が後回しになり、完成時期に間に合わせるために残業が多くなることもあります。
電気工事士の就職先の企業は正直いうとどこでも良い環境が用意されているわけではないので大手電力会社は別として、下請け会社は待遇や体力、人間関係などで社員の不満が蓄積していき、退職してしまうこともあります。
その他のケース
個人経営の電気工事士
経営者兼電気工事士をしている個人経営の場合は、直に技術力を学ぶことができるので技術スキルアップするには素晴らしい環境です。ただ、人脈などで仕事の依頼(電気工事の依頼)の増減が大きいので、その分給与の増減があります。
下請け企業(大元大手電力会社の場合)
よく下請け会社は仕事が大変ということがありますが、大型の家電量販店の設置工事だったりすると仕事も安定しているので給料も安定しているケースがあります。その下請け企業も日本中にさまざま業務をしているので、従業員数や経験者の有無、実績年数などによって環境は大きく変わります。
ビルの電気設備の管理
ビルの修繕や管理などの業務が主になるのでよく仕事はそこまで大変ではないと言われていますし、大都市では仕事量も安定していると言われています。ただ、業務範囲は決まっているので業務範囲を広げていきたい場合や転職の際には評価されにくい仕事ではあります。
いろいろなメリットやデメリットがありますが、人材不足の状況である電気工事士への就職する際に注意すべき点を次に説明していきます。
電気工事士として就職面接時際に注意する点
電気工事士の面接では流れがほとんど決まっているので、まずは下記内容の「面接準備」が大切になります。
志望動機
学生時代の経験
企業の印象
将来のキャリアビジョン
上記、内容について1社ごとの回答例を事前に準備しておくこととは当然ですが、それよりも重要なのは「面接官への印象」になります。
未経験での電気工事業界への就職なりますと、そもそも知識やスキルないことを分かっていて面接をするので、他の候補者と比較するところとしては「良い印象」「悪い印象」になるので、その点の対策をしないで面接に望まないように注意しましょう。
服装や髪形
礼儀正しく挨拶
明るい人物や話し方
敬語の使い方
電気工事士は上限関係が他の業界よりも厳しいケースがあるので、特に礼儀については非常に重要になります。
また、採用する企業側としてもできれば長く勤務できるような人物を採用したいです。
体力面で大丈夫?
ストレス体制があるのか?
成長意欲あるか?
などもポイントとして面接官に自信のあることを伝えられるとプラスになります。
代表的な就職先一覧
電気工事士としての就職先は多数あります。
冷暖房設備(エアコン)の工事
屋内配線工事
外線の配線工事
ビルメンテナンスの仕事
変電設備工事
太陽光発電所の設置工事会社
ネット回線の設置会社
電気工事士を取得することももちろん大切になりますが、その前に何の仕事をしてみたいから電気工事士が必要になると逆算できるとさらに良いです。
詳細記事はこちら→【電気工事士の仕事】種類と内容、将来性はあるか?
まとめ:第一種電気工事士のみ更新が必要!
今回は【未経験から電気工事士になるための事前準備】と題して電気工事士の就職事情や就職で有利になるための資格情報などについてご紹介させて頂きました。
・未経験でも就職では電気工事士の資格保有者が有利
・未経験者電気工事士の平均年収は300~400万円
・「未経験歓迎」の求人が中途採用でも増加傾向
電気工事士の就職について少しでも理解が深まってくれたら幸いです。
ぜひ今後も資格取得やスキルアップ含めて人生設計にお手伝いできればと思います。
今回は以上です。