転職相談者
・第三種電気主任技術者の実務経験を積みたい
・どんな年代でも実務経験なしで転職できるのか知りたい
こういった悩みに答えます。
私は転職エージェント歴5年で年間600人以上の転職相談からの相談を受けています。
今回は【認定取得に必要な実務経験!キャリアップ解説(第3種電気主任技術者)】と題して第三種電気主任技術者の資格を取得する方法や電気主任技術者の実務経験が積めるなどをご紹介します。
第三種電気主任技術者の資格を取得する2つの方法
第三種電気主任技術者の資格を取得する方法は以下2つがあります。
・試験(第三種電気主任技術者試験)合格
・学歴および実務経験の条件を満たす
試験の合格者は、実務経験なしで資格取得可能
筆記試験での合格者は実務経験が不要になります。
合格者は電気技術者試験センターへ申請することで、電験三種の有資格者になれます。
学歴および実務経験で資格取得可能
認定取得する場合は、学歴および実務経験が必要です。
以下で詳細を説明します。
学歴
学歴では大学や短大、高専や高校などの経済産業省が定めた認定校で、特定の電気に関して全て履修している必要があります。申請には卒業証明書と単位取得証明書が必要になるので、卒業した学校で早めに確認しておきましょう。
電気主任技術者の認定取得の条件の一つである学歴というのは以下のようになります。
・工業高校の電気科(三種認定)、高等専門学校
・専修学校(専門課程)
・短期大学の電気工学科(二種認定)
・大学の工学部電気工学科(一種認定)
などの認定校において指定された単位の取得が必要になります。 経産省が設置する認定校にて免状交付申請するためには必修科目が単位不足の場合はこれに代わるものの証明が必要になります。
どのような科目が認定には必要かというと、以下のなります。
電気・電気工学の基礎
電気基礎実験・電子実験
発電、変電、送電、配電、電気材料など
電気応用実験、電気実習、電気製図
電気・電子機器、自動制御、
電気エネルギーの利用、情報伝送・処理等
電気・電子機器設計、製図
電気法規・電気施設管理
参考:電気主任技術者 - Wikipedia
といった科目の単位の取得が必要になります。
認定校は全国各地にあり、それぞれの科目について必要な単位数が規定されています。
詳細は各保安監督部のHPなどで確認できます。
参考:経済産業省 各産業保安監督部
単位不足の場合は?
電験の国家試験は、4科目で構成されており、理論、電力、機械、法規の4科目になります。電験を試験で合格するにはこれら4科目を合格する必要性があるのですが、電験資格は「科目合格制」を採用しています。
電験3種の資格情報 科目合格制というのは試験の科目でどれかの科目で合格点を達成していれば、向こう3年間はその科目が免除になるという制度になります。
不足している科目に相当する電気主任技術者試験(一次試験)に合格することにより不足単位を補うことができます。
自分では履修しているつもりでも、実は指定校で必要な技術分野の単位数が足りていないなどで認められないことがあります。こちらは自分では判断困難なので、大学の単位取得証明書を持参して、経済産業局に行って、どの科目が足りないか見てもらうとどの科目を試験合格しないといけないかが明確になります。
実務経験
次に電験三種の認定取得において認められる実務経験は、以下のように定められています。
ここで相異があると今勤めている会社でも認定取得ができないので、確認しておきましょう。
・500V以上の発電設備、変電設備、送電設備、配電設備、給電・遠隔制御などの設備、需要設備に関する、工事や維持、運用の経験
・上記の業務を監督指導する業務、工事計画の認可申請書などの作成、電気事故防止対策業務など
参考:「中部近畿産業保安監督部北陸産業保安監督署「電気主任技術者免状の交付申請に必要な書類の作り方」
実務経験に含まれない業務が多数あることに注意してください。
一例として、以下の業務があげられます。
・単なる設備の設置・組み立て作業の業務(土木工、組立工、溶接工等)
・警備のために行う監視、記録の業務
・受電設備を含まない需要設備、負荷設備のみの維持、運用業務
・学校、研究所の実験設備、試験設備に係る業務
・電気機械器具、計器類の製造に係る業務
・電気鉄道用電気設備であって、電車線、トロリー線に係る業務
・船舶(除 非自航船)、車両、航空機内の電気設備に係る業務
・電気事業法が適用されない海外における業務
電気工作物に関する知識や技術をあまり必要としない業務に関しては実務経験として認められていないので、会社が電気工作物に関しての業務があっても、自身が業務していないと実務経験になりません。
電気主任技術者の実務経験が積める職場をリストアップ
電気主任技術者として市場価値のある人材になるには、実務経験を積む必要があります。
電気主任技術者は人手不足の問題を抱えているため、1年でも実務経験を積んでおくとそれだけで有利になります。
第三種電気主任技術者の実務経験の範囲に含まれる業務は決まっています。
実務経験として認められない業務もあります。
まずは電験三種の実務経験として認められる範囲を知っておきましょ
高圧や特別高圧で受電している施設を選ぶ
電気主任技術者の経験を積むためには、6,000V以上で受電する「高圧受変電設備」や、60,000V以上で受電する「特別高圧受変電設備」で働くことがおすすめです。一例として、以下の施設が挙げられます。
・工場
・ショッピングセンターやアウトレットモールなどの商業施設
・オフィスビルや、オフィスビルを主体とした施設
・複合施設
・病院
・ホテル
・特高太陽光発電所
このような施設では電気主任技術者の選任が義務付けられている施設なので、実際にどのような業務をしているのかを学ぶことができます。自分の仕事以外でもその上のポジションの方の業務を学ぶ姿勢が大切になります。
逆に一般用電気工作物での経験は、実務経験として扱われません。そのため小規模な施設や一般家庭など、100Vや200Vを使う施設での経験は実務経験に含まれないことに注意が必要になります。
実務経験を積める業務内容であるか確認
せっかく電気主任技術者になれる施設で仕事をしていても、実務経験を積めない場合があります。たとえば単なる点検や備品の修繕といった業務は、実務経験になりません。実務経験を積める仕事を任されない可能性もありますのでもし転勤や部署移動、転職の際には十分注意が必要です。
【自家用電気工作物の維持または運用に関する実務経験の範囲】
保守管理業務等
○運用・・・設備を安定的に運転するための業務で「運転状態の監視」「周波数および電
圧・電流の調整」「事故の復旧等における運転」等
【実務経験として認められない業務】
ない業務(土木工、組立工、溶接工等)
○警備のために行う監視、記録等であって、電気工作物に関する知識を必要としない
業務
○受電設備を含まない需要設備、負荷設備のみの維持・運用業務
○学校、研究所の実験設備、試験設備に係る業務
○エックス線発生装置、ネオン変圧器、テレビ受像器などの二次側にだけ高電圧を発
生させる機械器具に係る業務
○電気機械器具、計器類の製造に係る業務
○電気鉄道用電気設備であって、電車線、トロリー線に係る業務
○船舶(除 非自航船)、車両、航空機内の電気設備に係る業務
○電気事業法が適用されない海外における業務
=====
参照:一般財団法人中国電気保安協会
現職の方に迷惑ならないタイミングで実務経験を完了すれば独立することも可能です。
ただ、これに関しては人脈や営業力を付けてからの方が良いです。
転職の視点からも第三種電気主任技術者の実務経験を積んでおくことは凄くおすすめです。
おすすめの理由は次の章で解説します。
年代別の電気主任技術者未経験(実務経験なし)の転職市場
年代別に実務経験がなくとも電気主任技術者としての転職市場を解説します。
まずは電気工事や設備管理の仕事で経験を積むことが近道
今、第三種電気技術者や第二種電気主任技術者の活躍している方も誰しもが全員未経験者ですので、まずは電気工事や設備管理の仕事で経験を積むことが近道です。
試験合格を目指す、合格した方は特にこの経験が必要になります。
このため電気工事や設備管理の仕事に就業して、経験を積むことが大切になります。その後に電気主任技術者を目指すと、資格と経験を兼ね備えた人材として採用される可能性が上がります。
20代や30代の場合は未経験でも採用可能性あり
20代や30代の方は、業界での実務経験が少ない方がほとんどです。しかし若手は経験が少なくても将来性を見込んで自社で育成して成長させていく人材として採用する企業も多いです。このため「未経験者応募歓迎」など、即戦力でなくても採用される可能性はあります。
もちろん電気工事や設備管理の経験があれば、より有利に就職活動を進めることが可能です。
転職が初めての場合は、転職エージェントに求人を紹介してもらうことで、内定率が高い求人に応募できる確率が高まります。
40代以上の場合は、電気工事や設備管理の経験が重要
40代以上の方は、実務経験の有無がまず判断されるケースが多いです。このため、電気工事や設備管理の経験があると選択肢の広がりがあります。未経験者の場合は、まず電気設備の実務経験を積むことから始めることをおすすめします。
一方で実務経験がある方は、60代以上の方でも今後十分に働ける職場があります。
最近は太陽光発電所の普及か2012年のFIT(固定買取価格制度)制度の導入によって家の屋根など郊外でも太陽光発電所を見ることが多くなったと思います。
より身近に発電所が設置されることになったことで、電気主任技術者の資格の重要性が近年はさらに認められるようになってきていることは間違いないです。
以下の業界でご自身の経歴に近しい業界で仕事をしていれば、近しい業界への転職できる可能性が高くなります。
建設業界
ビル管理業界
電気通信工事業界
電力業界
実務経験を積むことができる求人を見つけるのはけっこう大変なので、求人の内容を詳細まで教えてくれる転職エージェントに求人紹介を依頼することもおすすめです。
キャリアアップするためのおすすめ転職エージェント
ここまで読んで頂いた方に補足情報として下記を紹介します。
何よりも求人情報をいち早く取得できる環境を整えておくことがキャリアアップの近道になります。
キャリアアップするためには現職残る選択肢ももちろんありですが、転職市場を知っておくことも必要になります。
現在の電気主任技術者の採用ニーズや年収帯などを把握していますか?
もし分からないままに現職に残る選択をしているのであれば大きな間違いになります。
転職サイト自体に大きな差はあまりなく、それよりもどれだけ早くよい求人情報を取得できているかで変わってきます。
電気主任技術者の仕事については高齢化に伴う後任の求人ニーズが今後多くなってくるために、いかにしてそのニーズを認識しておけるかになります。
また、現職と比較してみて条件などを比較することで今後のキャリアアップの参考にもなります。
具体的な今後の行動することとしては下記3点になります。
①実績も豊富な大手転職サイトにいくつか登録
②新規求人を常にメールで届くように設定
③情報しながら自分の理想の転職軸を設定
この方法であれば働きながらでも今後のキャリアアップについて検討ができます。
多くの転職成功した方は数年前から転職サイトに登録しておいていざという時に情報収集が完了しているのでより良い条件の企業へ転職ができます。
まだ、自分が何も動いていないのであれば後回しはなしにしましょう。
ここまで読んで頂いた方は今ここで始めて他の人に差をつけましょう。
電気関連に強い転職サイト・転職エージェント3選!
◎ リクルートエージェント|転職実績No.1・顧客満足度No.1
※最大級の転職サイトで案件が紹介されるので、まずは、ここには必須で登録しておくと良いです。
◎ パソナキャリア|キャリアアドバイザーの親身で丁寧なサポート
※ここだけの求人もあるので、希望条件に見合ったものを選べます!
◎ JAC Recruitment|大手求人、非公開求人が豊富!
※エンジニアなど幅広い領域に対応しているので、登録しておくのもあり!
まとめ
今回は【認定取得に必要な実務経験!キャリアップ解説(第3種電気主任技術者)】と題して第三種電気主任技術者の資格を取得する方法や電気主任技術者の実務経験が積めるなどをご紹介させて頂きました。
・第三種電気主任技術者の資格を取得する方法は2つある
・市場価値を高めるためには、実務経験を積むことが必要
・電気主任技術者の転職市場は今後も拡大傾向
電気主任技術者は社会貢献の高い仕事ばかりです。身近な電気設備から大規模な発電所まで幅広く、何気なく日常で使っている電気ですが「電気主任技術者」が日本の電機業界を背負っているといっても過言ではないです。