転職相談者
・今からでも電気主任技術者を取得して仕事はあるのか知りたい。
・電気主任技術者のキャリアアップ転職する方法を教えて欲しい。
こういった悩みに答えます。
私は転職エージェント歴5年で年間600人以上の転職相談からの相談を受けています。
今回は【電気主任技術者の人材不足市場|2000人不足する深刻問題】と題して電気主任技術者の人材不足の状況や電気主任技術者の転職市場などをご紹介します。
1.電気主任技術者4000人の人材不足!深刻問題
電気主任技術者の人材不足はもうすでに市場の問題になりつつあります。
2045年に第二種電気主任技術者は約2000人の不足、第三種電気主任技術者約4000人の不足の見込み調査結果が出ています。
参照:経済産業省 産業保安グループ電力安全課
下記5点が主な理由になります。
・1-1.業務ビルの電気設備や、再エネ発電設備数の増加
・1-2.第三種電気主任技術者の資格合格率8%前後
・1-3.定年退職の理由による有資格者の退職
・1-4.新規有資格者の取得人数の不足
・1-5.業界の知名度が低い
各項目について解説していきます。
1-1.業務ビルの電気設備や、再エネ発電設備数の増加
電気主任技術者は、工場やビルなどの電気設備に関する工事・保守、運用などの保安監督者として従事する方のことを指しましてこの保守管理する人材が増加傾向にあります。
代表的なものとして下記が主に増加傾向になります。
・業務ビル管理の建設
・オリンピックや大阪万博
・太陽光発電所の建設
特に太陽光発電所の建設増加は下記の需給バランスが今後崩れており、転職市場でも引き続きニーズあります。
2016年から2045年にかけて第2種電気主任技術者の選任が必要な大規模再エネ設備が増加するために特に太陽光発電施設に関しては約7倍のニーズがあります。また、地域によっては第2種電気主任技術者の退職が多くなり人材不足が謙虚に出る可能性があります。
また、業務ビルの増加と人材の供給減により第3種電気主任技術者が2045年には4000人程度不足する見込みとなっています。
1-2.第三種電気主任技術者の資格合格率8%前後
過去12年での第三種電気主任技術者の資格合格率は平均8.24%となります。
これは公認会計士よりも低い合格率となりまして、この合格率の低さが人手不足に直接的な原因となっています。
難易度が高いのでまずは電気工事士の資格を取得してから次に、第三種電気主任技術者を取得される方もいます。電気保安業務に関する資格なので、難しいのはやむを得ないことです。別の方法で取得可能ではありますが、試験合格の方がより詳しく専門的な知識を得ることができるかと思われます。
1-3.定年退職の理由による有資格者の退職
よく「2025年問題」と耳にするかと思いますが、団塊の世代が2025年ごろまでに後期高齢者(75歳以上)となることにより、医療費など社会保障費の急増が懸念される問題でして、その団塊の世代のが退職するタイミングが重なります。
参考:今後の高齢化の進展 ~2025年の超高齢社会像 - 厚生労働省
現職の電気主任技術者の方は60代以上が最も多く、50代以上で全従事者の80%以上というデータもあるくらいです。10年後には現職者の多くが退職することになりますので、継続的な採用を行わなければ人材不足となることは明白です。
1-4実務経験の資格者の人材不足
過去12年の第三種電気主任技術者の合格者は約3800名となっています。
2016~2017年にかけて、経産省の委託事業としてデロイトトーマツコンサルティングが有資格者の推移をヒアリングや人口動態などを基に割り出し、将来需要を、独自モデルを使って推計をしている結果からも第三種電気主任技術者の有資格者は想定需要に対し、中長期的にも十分に確保できる見通し。ただ、業務ビルの増加と人材の供給減少に伴い、外部委託を担う保安業界の第三種電気主任技術者が2045年に想定需要の約18,000人に対し、4,000人程度不足というデータもあります。
つまり、合格者が平均約3800名第三種電気主任技術者がいても今後不足になる見込みが既に2018年時点で出ていたことになります。
また、仮に資格を取得しても、第三種電気主任技術者は実務経験5年以上を積まないと外部委託という仕事ができないのでなかなか給与が上がらないということもよくあります。
1-5.業界の知名度が低い
「身近に電気主任技術者の方を知っていますか?」
ほとんどは会社員か電気やっていても電気関係の仕事してる人という認識でそもそも国家資格の「電気主任技術者」の存在を知らないことが多いです。
電気保安・電気工事業界に関する情報を集約した業界横断的なポータルサイトを構築SNS, YouTube等により電気保安業界の話題性を高め、関心を抱いた層をポータルサイトへ誘導し、業界の具体的な情報をコンセプト毎に提供する方針も昨年経済産業省 産業保安グループ電力安全課より資料から掲載されていましたので、これから知られてくる時代がもしかしたらくるかもしれないです。
2.人材不足の電気主任技術者の転職市場
電気主任技術者の転職求人数としてはマイナビ転職を参考にすると下記数値が見られた。
キーワード検索にて「電気主任技術者」170件「 電気主任技術者 太陽光 」26件と出てきます。
人材紹介会社は約2万社ありますので、この電気主任技術者の求人はさまざまな企業が保有しています。
個人的にはもっと太陽光発電所の案件は市場に出ていると予想しています。
再生可能エネルギー分野についてエネルギー基本計画により2030年度に向けて、再生可能エネルギー22~24%の国内普及率向上を設定しています。
先ほどもご説明しましたが、2016年から2045年にかけて第2種電気主任技術者の選任が必要な大規模再エネ設備が増加するために特に太陽光発電施設に関しては約7倍のニーズがあります。
人数にして2000人近くになります。
いますぐ2000人が必要というわけではないですが、今後も特に高齢化に伴う退職のタイミングで15年以上に渡り安定的に求人が出てきます。
ここでは再生可能エネルギー分野の電気主任技術者のメリットとデメリットをご説明します。
2-1.再生可能エネルギー電気主任技術者のメリット
再生可能エネルギー電気主任技術者の主なメリットになります。
メリット
1.受電設備の電気主任技術者よりも年収が高い傾向
2.国、政府が20年間のFIT制度により発電所の長期雇用
3.夜勤勤務、労働条件などが緩和されるケースがある
1.受電設備の電気主任技術者よりも年収が高い傾向
発電施設の太陽光発電所などはビルや商業施設など受電設備よりも年収が100万円近く提示が違う場合も良くあります。
太陽光で発電した電気を固定価格買取制度に基づいて利益が生まれます。施設などを管理するだけでなく利益が出るために年収が高い傾向にあります。
2.国、政府が20年間のFIT制度により発電所の長期雇用
「固定価格買取制度」の導入により日本は2030年までに再生可能エネルギー比率を22~24%を目指す目標が制定されています。
そのために、20年間運用までは発電所の売電収益を事業者は受け取ることができるので長期的に雇用が安定しているといわれています。
引用:経済産業省資源エネルギー庁『再生可能エネルギー固定価格買取制度ガイドブック2019年度版』
20年後も再生可能エネルギー比率を22~24%を維持する必要があるために、「固定価格買取制度」が終了後も小売電気事業者等に売電することが可能なために一生涯の仕事して勤務が可能な事業といえます。
3.夜勤勤務、労働条件などが緩和されるケースがある
太陽光発電所について基本的には太陽の出ている時間のみ発電しているために夜勤勤務はありません。発電所の勤務のために安定的に稼働ができるようになるとそこまでメンテナンスをする必要がないと言われています。
2-2.再生可能エネルギー電気主任技術者のデメリット
再生可能エネルギー電気主任技術者の主なデメリットになります。
デメリット
1.発電所の場所から2時間圏内という制限
2.法律が整備されていないことが多い(時間外勤務など)
3.屋外での業務が伴う(地域によって異なる問題)
1.発電所の場所から2時間圏内という制限
太陽光発電所、風力発電所、水力発電所、これらと連系する設備では発電所までに2時間以内に到達できる場所にいる必要があります。
そのために電気主任技術者を活かして勤務したいが自宅から近くにないために勤務ができないことも多くあります。
中には単身赴任手当を出してくれる企業もあり、自宅から離れた場所に勤務される方もいます。
2.法律が整備されていないことが多い(時間外勤務など)
太陽光発電業界は2012年のFIT制度から急激に建設導入が進んでいるために保守管理の基準が企業ごとに異なることがあり、企業によっては草刈りやパネル掃除まで業務を含んでいる企業もあります。
これは実際に電気主任技術者として太陽光発電所でお仕事されている方にお聞きしましたが、自分たちで決めながら試行錯誤している状態と伺いました。
3.屋外での業務が伴う(地域によって異なる問題)
もちろんですが、外での仕事の為に暑い日、寒い日も外で保守管理業務があります。台風や雷、雪などの災害によって緊急対応などもありますので、屋外での業務であることの認識が必要になります。
近年は温暖化が影響しているといわれていますが、気候変動に左右されることが多くなりましたので、電気主任技術者の業務の範囲も変わってくるかもしれないです。
電気主任技術者の求人はいつも転職市場にあるとは限らないので常に転職活動をしておかないといざという時に大変になります。また、近年では急な解雇などで職を失い兼ねません。いつどうなるか分からない世の中なのでいろいろを情報収集するために登録しておくことをおすすめします。
具体的には次の章でご紹介させて頂きます。
3.急な社会情勢にも対応可能!おすすめ転職エージェント
結論としては求人情報をいち早く取得できる環境を整えておくことが急な社会情勢に対応できる鍵になります。
対応するためにはまず転職市場を知っておくことも必要になります。
現在の電気主任技術者の採用ニーズや年収帯などを把握していますか?
もし分からないままに現職でただ仕事をしているのであれば大きな間違いになります。
サイト自体に大きな差はあまりなく、それよりもどれだけ早くよい求人情報を取得できているかで変わってきます。
電気主任技術者のニーズは先ほども話した通り、高齢化に伴う後任の求人ニーズが今後多くなってくるために、いかにしてそのニーズを認識しておけるかになります。
また、現職と比較してみて条件などを比較することで今後のキャリアアップの参考にもなります。
具体的な今後の行動することとしては下記3点になります。
①実績も豊富な大手転職サイトにいくつか登録
②新規求人を常にメールで届くように設定
③情報しながら自分の理想の転職軸を設定
この方法であれば働きながらでも今後のキャリアアップについて検討ができます。
多くの転職成功した方は数年前から転職エージェントに登録しておいていざという時に情報収集が完了しているのでより良い条件の企業へ転職ができます。
まだ、自分が何も動いていないのであれば今すぐに行動して、他の人に差をつけましょう。
登録は5分もかからずに可能です。ここまで読んだ時間よりも早く登録することが可能です。
電気関連に強い転職エージェント5選!
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◎ マイナビエージェント
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まとめ
今回は【電気主任技術者の人材不足市場|2000人不足する深刻問題】と題して電気主任技術者の人材不足の状況や電気主任技術者の転職市場などをご紹介させて頂きました。
・第三種電気主任技術者は2045年に4000人程度不足する見込み
・電気主任技術者の転職市場は不景気にも関わらず新規求人数横這い
・電気主任技術者のキャリアアップは第二種電気主任技術者の取得し就職へ
今後数年以上は採用ニーズがあり、電気主任技術者の不足が予想されます。
今すぐでなくとも市場を把握する動きはしておきつつ、何かあった場合に備えて今から動いていきましょう。